仙台市に続々とIT企業が進出する理由とは?

 東北地方の中枢都市である仙台市。「杜の都」と呼ばれるこの都市にいま国内外から多くのIT企業が進出しています。 エリクソン・ジャパン、日本アイ・ビー・エムといった外資系大手企業やメルカリ、楽天、ブイキューブなどの国内有力企業、それに東京に本社を置くベンチャー企業まで、規模や分野に関わらず多くの企業が仙台にオフィスを構え、今後も進出する企業は増加する見通しです。

IT企業進出の背景にあるもの

 この相次ぐIT企業進出の背景には、仙台市の「充実した助成制度」と「人材の豊富さ」があります。

1、充実した行政による支援制度

 仙台市は「企業立地促進助成金」を設けています。これは仙台市内に「新設・増設・移転」を行ったIT企業に対して、新規投資にかかった固定資産税を3~5年の間、実質的に全額交付する制度です。IT関連分野は交付限度額がなく、賃借にも対応しています。 また、仙台市内に居住する新規雇用社員1人(勤続年数1年以上)につき、10~100万円を1年間交付する雇用加算もあります。 この助成金に加えて、復興特区である宮城県からも各種税金減免措置を受けられることから、仙台市は全国でも有数の支援制度が整った環境となっているのです。

2、優秀な人材が豊富な「学都」仙台

 仙台市には東北大学をはじめとする14の大学と5つの短大、それに多くの専門学校が立地しており、若い優秀な学生が東北地方をはじめ全国から集まっています。現在、IT業界は深刻な人手不足。優秀な学生を確保しやすい環境も人手不足に悩む企業にとって非常に魅力的です。その他、新幹線で東京まで90分というアクセスのよさや住環境のよさなども評価されています。

IT人材の育成も後押し

 この流れを後押しすべく、仙台市はIT系人材の育成にも取り組んでいます。仙台市は平成25年に、市内のIT・ゲーム関連企業や教育機関などが会員となってグローバルラボ仙台(GLS)というコンソーシアムを設立。 GLSは様々なプロジェクトのひとつとして、会員団体と連携して、各種セミナーや若者向け教育プログラムの実施などを積極的に行い、次世代のIT産業を担うエンジニアの育成に取り組んでいます。官民がタッグを組んで人材育成に取り組むことで、人材供給面での魅力を一層高めようとする狙いがあると考えられます。

地域の課題を解決するために

 いつの時代も若者は魅力的な職を求めています。今でもそうした職業は首都圏に集中しており、それが地方の人口流出の一因となっていることは否定できません。 仙台市も例外ではなく、就業場所がないために、せっかく市内に集まった若い学生が卒業後、首都圏に流出していく構造がありました。IT企業の誘致によって若者に魅力的な仕事を提供し、地域定着を促そうとする仙台市の取り組みは、その流れに一石を投じるものといえそうです。 地方創生を成功させるひとつのカギは、若者にとって魅力的な職業の選択肢を地方がどれだけ増やし、提供することができるかにかかっているといえます。

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