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【TOHOKUイノベーター】学生起業、東北大学編入、コミュニティづくり 「面白さやワクワクする感情を大事にしてほしい」と伝えたい~24歳 山崎 孝一郎さん

 今回インタビューに応じてくれたのは、クリエイター向けのコミュニティ創りに挑戦している起業家の山崎孝一郎さん。東京のアパレル専門学校から東北大学に編入した異色の経歴の持ち主である山崎さんに、起業や東北への思いを語ってもらった。
【TOHOKUイノベーター】学生起業、東北大学編入、コミュニティづくり 「面白さやワクワクする感情を大事にしてほしい」と伝えたい~24歳 山崎 孝一郎写真

山崎孝一郎さん

 

「ワクワクできるような面白いことを誰かとやりたい」

 そう語るのは起業家の山崎孝一郎さん。山崎さんは20歳の時に東京のアパレル専門学校から東北大学経済学部に編入し、仙台での生活をスタートした。 長野の松本深志高校時代から0から1を創りだすのが好きだった。高校時代にはアパレル好きの人が集まるファッションスナップチームを結成。専門学校進学後も、東京のスタートアップ企業を創業メンバーとして立ち上げた。そこで多くの経験を積んだものの、会社がある程度の成長を遂げると、ワクワクすることが少なくなったという。 「自分以外の人の方がもっと事業を成長させることができるのではと思ったのと、自分がいなくても組織が回る仕組みもつくれたため、単純に創業時のようなワクワク感がなくなりました」 もともと新しいチャレンジが好きだった山崎さんが、さらなる成長を求めて東北大学に編入を決めたのは2016年のことだった。

東北に来た理由は「行ったことがない場所だったから」

 山崎さんは両親との約束もあり、スタートアップ企業に参画しながら受験勉強を続け、東北大学の編入試験に合格。東京や関西の大学にも合格していたが、東北大学への進学に迷いはなかったと話す。 「(東北を)知らない分、リアルな東北のイメージが全く湧かず、逆にそれが興味を引きました。知らない土地に行く方が面白い経験ができそうと思ったことが、東北大学へ進学した理由ですね(笑)。東京だと情報が錯綜していて何でもある。でも東北だとまだそういったものがないから、だからこそいろいろなことに挑戦できるし面白そうだなと単純に思いました」 仙台での学生生活は新鮮で楽しいことも多かったが、問題意識を抱くことも少なくなかったという。 「特に問題だと感じたのは、面白いことをやりたいと思う人は多くても、それを実現するための人やコミュニティと繋がる機会が少ないこと。行政を通じた起業家イベントなどにも行ってみましたが、一部の意識の高い人しか参加しておらず、もっと気軽に参加できるコミュ二ティがあってもいいのかなと」 そこで山崎さんは、大学で知り合った仲間とともに企画を立ち上げ、今年2月に仙台市で「Tohoku Innovation Fes」を実施。このイベントは、若手起業家の話を聞くことがメインだが、食事やお酒を楽しんだり、水煙草を吸ったりと参加者一人ひとりが思い思いにイベントを楽しむことができる「お祭り」をコンセプトにしている。 「起業家イベントや講演会を開いても、そのテーマに興味ある人しか集まらなかったのでもったいないなと思っていました。参加の理由は、それこそ、ただお酒が飲みたいとか時間が空いてたくらいの理由でいいから、友達同士で気軽に参加してもらえるようにして、行ってみたら学びが少しでもある、そんなイベントにしたかった。だからTohoku Innovation Fesはお祭りをイメージしているんです」 イノベーションフェスは多くの人が参加し、成功裏に終えた。次回は今年の6月か7月に行い、定期的に開催していきたいと考えている。

気軽に参加してみたいと思えるようなコミュニティを東北につくりたい

 大学卒業後はイノベーションフェスを企画しながら、仙台市秋保(あきう)の古民家をリノベーションし、クリエイター向けのコミュ二ティを創る予定だ。ビジネスなどの目的は抜きにして、面白いことをしたい人同士が繋がり、多くの人たちに参加してもらえるイノベーションサロンにしていきたいという。 「面白いと思うことやワクワクすることをしたいという感情が大事なことを多くの人に伝えたいし、学生・社会人を問わず、一緒に新しいことを企画したいし繋がりたい。そういうことができる場所を仙台に創っていきたいですね。情報や機会がまだまだ少ない東北だからこそワクワクします。多くの人に楽しんで参加してもらいたいですね!」

【プロフィール】

山崎 孝一郎 24歳 東北大学経済学部2019年3月卒業

アパレル専門学校在籍時に東京のスタートアップ企業に創業メンバーとして参画。東北大学編入後は2019年2月に「Tohoku Innovation Fes」を企画し、現在古民家でのクリエイターコミュ二ティやイノベーションサロンなどを企画・設計中。クリエイターコミュニティは今夏オープンの予定。

【LocalBook編集部後記】

 純粋な好奇心や想いから多くの人を惹きつける魅力を持つ山崎さん。昔からファッションが好きで中高生の頃からかっこいい服に魅了され、周りから何を言われようと自分が好きな服には強い愛着を持つ拘りがあったという。そんな彼だからこそ、同じ想いを持つ人同士が集まるコミュニティの楽しさを理解でき、それが今のモチベーションに繋がっているようだ。彼が東北でのイノベーション創出コミュニティをプロデュースし、多くの人が東北エリアに関わるきっかけをつくる日も近そうだ。

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