遠野物語の世界を巡る周遊型謎解き「異界ハンター試験」開始、体験型観光の新たな取り組み
株式会社遠野ふるさと商社(岩手県遠野市)とTales & Tokens株式会社(東京都杉並区)は、周遊型謎解きイベント「遠野物語×謎解き 異界ハンター試験」を共同開発し、2025年12月8日から提供を開始した。謎解きキットは同日より、道の駅遠野風の丘および伝承園で販売されている。本企画は、謎解きに親しみのある若年層を主な対象とし、遊びを通じて遠野の文化や歴史への関心を高めることを目的とした体験型観光コンテンツだ。

同イベントは、岩手県遠野市に伝わる民話集『遠野物語』の世界観を舞台に、市内各地を巡りながら謎を解いていく周遊型謎解きゲームである。物語は、子子子(ねねこ)様が異界門を封印してから400年後、再び遠野に現れた異界者に立ち向かうという設定で進行する。参加者は異界ハンター協会の試験に挑む候補生として、「ひらめき」と実際に街を歩く行動力を頼りに、異界者との知恵比べに挑戦する。
試験は、謎解きキットを購入し、キット内の案内に従ってスマートフォンから回答サイトにアクセスすることで開始される。全9問の謎やクイズが用意されており、道の駅遠野風の丘や伝承園、遠野市内の観光スポットに設置されたヒントを集めながら解き進めていく。問題にはカッパや座敷わらし、オシラサマなど、遠野にゆかりの妖怪や伝承も登場し、物語性を強めている点が特徴だ。
同イベントは、「その日、その場所、その時間」でしか得られない体験価値を重視する「トキ消費」の考え方を取り入れており、参加者が街を巡りながら物語世界に没入できる構成となっている。試験終了後は正解数に応じて二級から特級までの異界ハンターライセンスが授与され、参加者全員には観光PRキャラクター「イカイもん」のピンバッジが進呈される。所要時間は4~5時間程度で、1人から参加可能。開催期間は2025年12月1日から2026年11月30日までで、年間を通じて楽しめる企画となっている。

