営業へのAI導入、成功組織は「準備」で差 東北20社実証レポート公開

 東北地域の企業・団体を対象にAI活用支援を行う株式会社プレイノベーション(福島県郡山市)が、営業へのAI導入実証をまとめた「営業AIラボ東北 実証レポート2026」を8月21日に公開した。

営業へのAI導入、成功組織は「準備」で差 東北20社実証レポート公開

東北の企業・団体20社が参加し、5月14日から7月9日にかけて、各社が数週間から1カ月程度の実利用を行った。レポートは全17ページで、公式サイトから無料でダウンロードできる。

背景にあるのは、東北地域が抱える深刻な人手不足だ。東北では2040年に働き手が53万人不足すると推計されており、人員補充が難しい地域ほど、AIを業務に定着させられるかが企業存続に関わる課題となる。同社への相談内容も「どのAIを導入すべきか」から「導入したが使われない」へと変化してきたといい、実務レベルでの検証に踏み切った。

参加者23名からアンケートを回収したところ、約3割にあたる8名が期間中にAIを一度も使用していなかった。理由は、会社の端末やネットワーク、セキュリティ方針といった「動作環境の制約」と、「業務への組み込み方が定まらなかった」の2つに大別され、AIの出力品質を理由に挙げた人はいなかった。

一方、利用した15名のうち「満足・継続したい」と答えたのは6名。うち5名は同じ組織に所属し、3つの部署にまたがる体制でAIを運用していたという。

レポートが指摘する最大のポイントは、成果を分けたのが個人のAI知識量ではなく、組織としての準備状況だったという点だ。複数人・複数部署で体制を組んだ組織と個人任せで導入した組織とでは、手応えに明確な差が出た。「どの場面で使うか」「誰が担当するか」を事前に決めていた企業ほど、成功に近づいていた。

レポートには、20社の利用実態やアンケート結果に加え、経済団体、福祉、メディア、食品製造、保険代理店の5組織の事例、検証から見えた4つの要点、ユーザーが今後AIに期待する役割などが掲載されている。AIを記録の道具として捉えるだけでは見落とされがちな、働く人への心理的効果も見えてきたという。

同社は今後、同様の検証を行う企業や自治体の募集を開始する。プレイノベーション代表の菅家氏は、「営業へのAI導入はツールを選ぶ仕事ではなく、定着する設計をつくる仕事だ」と述べている。

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