フィリップス・ジャパン 岩手県の北良が開発の災害対策システム「ANPY」を導入

 株式会社フィリップス・ジャパン(東京都港区)は、人工呼吸器や酸素濃縮装置の在宅利用者向けに、北良株式会社(岩手県北上市)が新規開発した災害対策システム「ANPY」(アンピィ) を導入することを公表した。

 近年、自然災害発生時に大規模停電が発生しており、医療機器メーカー宛てに、在宅医療の現場や患者会から患者の迅速な安否確認を望む声が多く寄せられていること、停電が生じた場合に医療機器を利用する患者に迅速な電気の供給を行う必要があることといった課題があった。

 ANPYは、災害発生時にスムーズに状況把握を行うことができるシステム。具体的には、医療機器を利用している各個人宅への通電状況、停電発生からの経過時間や復旧の状況、患者の避難場所把握が可能となる。患者側は、ANPYを自宅のコンセントにつないでおくだけで特別な操作は必要がなく、同社社員はPCやスマートフォン等のデバイスを通じて患者宅の通電状況を把握することができる。また、これまでは安否確認を行う際に患者のいる避難所に赴く必要があったが、ANPYを患者が避難先に携帯することにより、内蔵のGPS機能を使って位置情報を把握することも可能だ。

 同社は、これまで公共の停電情報や地域ごとの患者リストをベースに患者の安否確認を行ってきたが、直接オンラインで状況把握ができることに大きな価値があると考えている。また、同社は医療介護の課題に対して「新しい価値をもたらすソリューションを提供すること」を掲げており、ANPYの導入がそのソリューションの一つとなると位置付けている。今回の導入が、人工呼吸器や酸素濃縮装置を利用している患者はもちろんのこと、医療従事者にとっても大きな安心につながり、かつ在宅人工呼吸器分野において主要な1社である同社が通電状況の把握に乗り出すことで、日本の在宅医療の災害対策に大きく貢献できるのではないかと期待を寄せている。

ピックアップ記事

関連記事一覧