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【宮城】蔵王連峰の麓・白石のたまご農家だからできる、本当の産直!創業55年の竹炭を活用した竹鶏ファームの「竹鶏たまご」、つくり手とお客様のありがとうの「わ」をはぐくむ宮城のブランド卵を目指す。

 竹鶏ファーム(宮城県白石市)の竹から生まれた卵「竹鶏たまご」は、安心安全の健康卵!生臭さもなく、食べやすいと反響を呼んでいる。毎日、たくさんのありがとうの「わ」をはぐくむ「竹鶏たまご」について、有限会社竹鶏ファーム 代表取締役 志村 竜生 氏にお話を伺った。

竹鶏ファームは前進の「志村養鶏場」から数えて、2020年で創業55年。「竹鶏たまご」は25年ほど前に、志村代表の祖父が、自然と地域への環境を配慮し竹炭の活用をはじめたのがきっかけでつくられた卵。濃厚卵白の弾力が強く、食べて生臭さのない優しい味わいで、アミノ酸が豊富。志村代表は「卵は栄養がたっぷりなので、バランスの取れた食生活を食卓に届けたいです」と話す。

定番の竹鶏たまごと竹鶏あかたまご

竹鶏たまごをより多くのご家庭に!

 竹鶏ファームでは、市販で売られている卵とは違う、こだわりのブランド卵「竹鶏たまご」を直接届けてくれる「出前たまご」と「うみたて定期便」というサービスがある。「出前たまご」は、宮城県の仙台市と県南地域の方向けに2020年4月19日からはじまった、新たな直送便。全国放送の某番組で取り上げられたときには、2500件を超える反響があったという。竹鶏ファームの方が自車にて玄関まで届けてくれ、配達区間内であれば贈り物として無料で配達代行も引き受けている。「このサービスは、5年ほど前から白石市で実施していたのですが、直売所で購入してくださる方が多く、地元では需要が少なかったんです。しかし、新型コロナウイルス対策とお客様のニーズが高まり、再始動することになりました」と、志村代表。

現在は、新型コロナウイルス対策でマスク着用にて配達中

配達日は対象エリアごとに分かれており、月曜は白石市・七ヶ宿町、火曜は蔵王町・村田町・川崎町・仙台市青葉区、木曜は仙台市(泉区・太白区・若林区)土曜日は仙台市(青葉区・宮城野区)のように、日曜日を除き配達先を設けている。注文は同社サイトか電話、FAXで受け付けている。支払い方法は、4つの中(現金払い、PayPay、クレジット払い、銀行振込)から選ぶことができるほか、最初の配達は、直接受け渡しが必要だが、2回目以降は置き配にも対応してくれる。

左:30個入(1,000円)、右:20個入(1,000円)

産直サイトなどでオンライン購入が主流の中、つくり手が直接お客様へ届けるサービスは珍しい。竹鶏ファームはなぜ、直接お客様へ届けることにこだわるのか。「このコロナ時代だからこそ、顔と顔を合わせて感謝の気持ちと食からつながる健康を伝えることが大切だと思いました。養鶏場には直売所があり仙台からわざわざ足を運んでくださる方や地元の方では週に何度も来てくださるお客様もいらっしゃいます。その方々に、もっと感謝の気持ちを伝えられて、栄養満点の卵をよりたくさんの方に食べてもらう方法はないかと考えて、このサービスをはじめました」と、志村代表。

竹鶏ファームの「出前たまご」お届け便

一方の「うみたて定期便」は、従来から展開しているオンライン直送便。県外や遠方の方でもオンライン購入ができ、産直発送してくれるもので、様々なメディアにも取り上げられてきた人気のサービス。家族の人数やライフスタイルに合わせて、1回あたりの個数や配達頻度を選ぶことができる。

竹とともに歩んできた 竹鶏ファーム

 竹鶏ファームの竹炭は、炭窯から自社製というから驚きだ。2016年にはクラウドファンディングに挑戦し、老朽化した炭窯を新しくして、地域の皆様とも連携しながら竹炭や竹粉の製造などを行なう。

竹炭の様々な特性に着目し、鶏舎の衛生面はもちろん、鶏の飲料水や混合飼料にも活用され、特許取得の実績もある。鶏舎で使用する水に至っては、全て竹炭で浄化されている。「1994年に、自分たちの手で竹の伐採から竹炭作りをしようと地域の方に沢山のご協力をいただき、炭窯が完成しました。相当な苦労があったと思うんですが、祖父は当時のことについて、目を輝かせながら楽しそうに話してくれます」と、志村代表。翌年には、竹から生まれた卵「竹鶏物語(現「竹鶏たまご」)」を商標登録。2000年9月に志村代表の父が3代目となり、有限会社竹鶏ファームを設立。

竹鶏ファームが借りている竹林

「生命(いのち)」あるものへの感謝を忘れない

 竹鶏ファームの鶏舎は2つある。一つは、卵を産んでくれる鶏4万羽が生活する鶏舎で、2014年の秋に「アニマルウェルフェア」と呼ばれる動物福祉の考え方を採用し、新設された。鶏が産んだ卵は、併設されているパッキングセンターで汚れが落とされ、次に炭窯で竹炭をつくる時に出る竹酢液を噴射し殺菌される。最後に、サイズ別にタマゴを丁寧に箱詰めし、 きれいに梱包されてお客様のもとへ出荷されていく。ここでの丁寧で愚直な作業から、志村氏は「人から鶏、そして、つくり手からお客様、お客様からつくり手へと“ありがとう”の思いが、巡り続いていけるように毎日コツコツと卵づくりに精を出しています」と、竹鶏ファームの夢を語る。

ストレスフリーな鶏舎

もう一つの鶏舎は旧鶏舎で、補修をしながら「一黒シャモ」の飼育を行なっている。飼育をはじめるきっかけとなったのは、東日本大震災。 震災直後、竹鶏ファームの直売所へ来てくださったお客様や沿岸部へ炊き出しを行なうお得意様へ、卵を届け続けたという。「私たちの仕事は地域の方々の命を預かっている大切な仕事で、“食”という生命に直結する、生命を育む仕事だと強く思いました。地域の生命を支えるお手伝いを私たちなりにやっていかなければいけないと考えたのが、鶏肉の生産でした。これが私たちの鶏肉づくりの原点です」と、志村代表。ニワトリもただの家畜ではなく、 私たち人間と同じ動物であり「生命」がある。竹鶏ファームは、全ての自然や動物、環境に生かされているという感謝の気持ちを土台に、地域に根付く養鶏場を目指す。

4代目 竹鶏ブラザーズ

 先代たちが営んできた「志村養鶏場」を第2世代の志村 浩幸氏(3代目)が個人事業から法人化。その後、独自のブランディングを果たしてきた竹鶏ファームは、志村 竜生氏と竜海氏の竹鶏ブラザーズで第3世代(4代目)へと突入した。

左:志村 竜海 副社長(兄)、中央:志村 浩幸 会長(父)、右:志村 竜生 代表(弟)

震災後、兄とタイミングを同じくして白石市へUターンした志村氏は、2020年に法人20期目を迎えたタイミングで、事業継承をする準備を兄とともに進めてきた。この人事について、志村代表は「本来なら兄が代表を継承するところですが、もともと父の経営方針に共感していたこともあり、私自身が代表をやりたいという気持ちが強くなって、兄と腹をわって話してきました。私の気持ちを尊重してくれた兄の器の大きさ、父の懐の深さ、見守り支えてくれる従業員や家族の優しさが、竹鶏ファームの本当の強さだと改めて感じました」と話す。また志村代表は、農業の3K(臭い、汚い、キツい)イメージを払拭するために「宮城のこせがれネットワーク(農業の担い手と応援者たちが宮城をおもしろくするプロジェクト)」に参加したり、5年ほど前からは地元の小学校(3年生)を中心に、竹鶏たまごを通して生命の大切さを伝える活動も行なっている。「私たちの仕事が子どもたちの憧れる職業になるように活動を続けて行きたいです。高学年になった子たちも、配達車を見つけると声をかけてくれるので嬉しいです」と、志村代表。竹鶏ファームは、創業時より続けてきた「地域に根差し、卵を通じて幸せと健康をお届けする」という想いをより多くの方々へ発信し、これからも届け続ける。

【プロフィール】
有限会社 竹鶏ファーム
昭和40年創業の養鶏場。平成12年に法人化し、有限会社竹鶏ファームを設立。「竹鶏たまご」は全国農業コンクール優秀賞(平成14年)、宮城県農業コンクール農業賞(平成15年)を受賞。
< 竹鶏ファーム >
https://www.taketori-farm.co.jp

< 出前たまご >
https://demae-tamago.com

< オンラインショップ うみたて定期便 >
https://www.taketori-monogatari.com

【LocalBook編集部後記】
志村代表のように震災後の被災地では、IターンやUターンをして都心で培った技術や情報を家業へと活用し、発展させている事業が多くあります。そこでよく耳にするのが「親父がまだ元気だから、自分のやりたいことが思うようにできない」という話。今回の志村代表も3代目の父親とぶつかることはよくあると話していましたが、経営コンサルを外注するなど外部からの意見を取り入れながら、先代から受け継ぐ熱い想いと次世代の新たな経営方針を円滑にまとめてきたそうです。家業を継ぐという覚悟と情熱、そして何より感謝の思いをたくさん感じる取材となりました。
(ライター:太田和美)

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