宮城県・山元町にクラフトビール新拠点が誕生!旧坂元中学校を活用した「Faló Brewing」が完成

 宮城県亘理郡山元町にクラフトビールの新たな拠点が誕生する。株式会社ファロ(宮城県亘理郡)が旧坂元中学校の校舎をリノベーションして建設したビール醸造所「Faló Brewing(ファロブルーイング)」が完成した。現在は酒類製造免許の交付を待ち、営業開始へ向けた準備を進めている。

宮城県・山元町にクラフトビール新拠点 旧坂元中学校を活用した「Faló Brewing」が完成

新設された醸造所は「焚き火」を意味するイタリア語「Faló」に由来する。火を囲み人々が集うように、ビールと場所を通じて地域に灯りをともす存在を目指す。ミッションは「ビールで明日をちょっとしあわせに」。その実現に向けて三つの柱を掲げる。

まず、国際的な品評会での受賞実績を背景に、品質を追求しつつ独創的な味わいを探る。第二は地元産品や規格外農作物を活用し、土地の風土や文化を表現するユニークなビールを醸造する。また麦芽の再利用など環境面への配慮も徹底する。そして第三に、地域の人々が集う「サードプレイス」として、交流の拠点となることを目標に据える。

今回の醸造所は2021年に閉校した旧坂元中学校を改修したものとなる。住民にとって思い出の残る場所を新たな形で活用し、地域再生の象徴となることを意図している。

代表取締役の半田氏は食品・酒類業界で10年以上の経験を持ち、国内有名ブルワリーでの醸造に携わったほか、オーストラリアでは醸造長も務めた経歴を持つ。「ビールを通じて人と地域をつなぐ架け橋になりたい」という想いから山元町での創業を決断。東日本大震災から復興を遂げた町で、新たな挑戦を通じて地域の魅力を広く発信していく考えだ。

完成を記念し、9月13日午前9時30分から内覧会を実施する。会場は山元町坂元山作1の旧坂元中学校で、醸造所や設備の紹介、事業内容の説明が予定されている。当日は試飲や販売は行われないが、参加者は気軽に施設の全貌を見学できる機会となる。旧校舎の再生によって誕生した「ファロブルーイング」が、今後どのように地域に根差し、新たな交流の場となっていくかが注目される。

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