• HOME
  • IT・テクノロジー , 企画 , 青森
  • 「ペライチ」に秘められた地方への想い ~地域密着「ペライチサポーター」が叶える、 すべての人がネットを使える一億総ネット利活用時代~

「ペライチ」に秘められた地方への想い ~地域密着「ペライチサポーター」が叶える、 すべての人がネットを使える一億総ネット利活用時代~

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、「ネットの必要性」が高まった1年。テレワークやオンライン会議が当たり前となり、非接触コミュニケーションが推奨されるようになった。急激に常識が変容する現在、「ネットを使えるかどうか」は世代や居住地を問わず重要なトピックである。とはいえ、特に地方のITリテラシーはまだまだ高いとはいえず、すべての人がネットを活用できる時代になるには時間がかかる。

そんな中「一億総ネット利活用時代」を目指し、地方でのWEBサービス拡販に力をいれる企業がある。それが、株式会社ペライチ。誰でも簡単に成果につながりやすいWEBサイトやHPを作れるサービス「ペライチ」を展開する企業だ。「ペライチ」にはオンライン決済や予約システムも搭載されており、専門知識が無くても本格的なサイトを作ることができる。「ペライチ」は全国に約400名のサポーターという地域のITリテラシーの低い人や企業をサポートする人が活躍する、独自のサポーター制度を運営しているという。サポーターが地域密着で教えることで、すべての人がネットを使える時代を実現しようとする制度だ。

株式会社ペライチ取締役会長

今回はこのペライチや地方IT活用への想いについて、ペライチ創業者である山下翔一さんにお話を伺った。地方ならではの特徴を踏まえ、「一億総ネット利活用時代」実現のためには地域密着のサポーターが必要だと断言する山下さん。そこにはどんな想いが秘められているのだろうか。編集長の神庭が話を聞いた。

「信用経済」で成り立つ地方ならではの、IT活用の広げ方

―本日はよろしくお願いします。早速ですがペライチについてお聞きしたいのですが、どんな思いで作られたサービスなのでしょうか?

 はい、本日はよろしくお願いします。ペライチは、「ITリテラシーの低い方が踏み出す一歩」になったらいいな、という想いで立ち上げたサービスです。ペライチにはHPやLPを簡単に作れるWEBサービスというイメージを持たれる方が多いのですが、元々は「一億総ネット利活用時代」を標榜して立ち上げたサービスなんです。おじいちゃん・おばあちゃんにも活用いただけるサービスを目指しているので、はじめの一歩として分かりやすい、トライしやすいものにしたいなと。60代以上の方でも初見で簡単に使える「HPやネットショップを作るための世界一簡単なサービス」を目指して立ち上げましたね。

―ペライチには全国に「サポーター」がいるそうですね。これはどういった制度なのでしょうか?

 ほぼ47都道府県・全国に400名ほどの「サポーター」と呼ばれる方がおります。ペライチをはじめとした様々なITサービスの使い方や活用方法、ペライチ等を活用した事業や活動の成長などをサポートしてくれます。各地域のITで困っている人をサポートしてくれる「私のまちのITサポーター」というべき存在です。サポーターは弊社との雇用関係はなく、企業や経営者のコンサルをされている方、セミナー講師、広告やマーケティングの会社やHP制作会社を経営したり働いていらっしゃる元々ITに関する専門性の高い方々がいる一方で、主婦や学生やセミリタイアされた方でペライチをきっかけにページ制作やマーケティングやITについて詳しくなった、というITリテラシーの低い方の気持ちが痛いほどよく理解できる方もたくさんいらっしゃいます。それぞれの得意分野を活かしながら、身近な人のIT利活用を手伝っています。ペライチの制作自体を代行したり、人を集めてセミナーを開催する方もいますよ(現在はオンライン中心ですが)。サポーターになるためには、認定条件を満たし(ビジネスプランの利用)、オンラインで認定試験を受け、合格する必要があります。(詳細はコチラ

ペライチサポーターとして活動するための流れ

―サポーターは47都道府県にいらっしゃるんですよね。なぜ「地方」を重要視されているのでしょうか。

 ペライチを立ち上げた当初から言っていたのは、「(ペライチという)ツールだけでは根本的な解決にならない」ということ。地方は、東京に比べると善意GIVEと信用で経済活動を成り立たせているんですよね。なにかを「あげる」ことや「もらう」ことが自然なので、「サービスにどんな価値があるか」より「誰から紹介されるか」「誰にお金を使うか」を重要視しています。僕は、これを「信用経済」と呼んでいます。でも消費活動が変わって、地域にお金が落ちなくなってきているじゃないですか。たとえば、ものはAmazonで買い、スマホのアプリやゲームに課金し、動画をたくさんみて通信費にお金を多く払うとか。これでは地域にお金が落ちずに、日本の都会や海外のマーケティングが強い会社にお金がどんどん流れていき、地域企業や地域経済は衰退していく。この現象に待ったをかけるためには、「このサービスを使えば助かりますよ」という短期的で短絡的なソリューションではなく、サービスや人を通して根本的な「教育」につなげ、成長を促すべきだと思ってたんです。だからこそペライチは「ITと人の力で人や企業を教育する会社」というのは創業当初から言っていましたね。

身近な地域密着のサポーターだからこそ、実現できる関係性

―ペライチサポーターをやっている方は、どんな方が多いのでしょうか?

 男性はもちろんなのですが、意外と女性の方も多く、ママさんも多いですね。専業主婦の方もいれば、個人事業主としてスモールビジネスされている方もいるし、ガッツリ会社経営をしている方もいらっしゃいます。地方だと、知らない専門家に教わるより身近な人に教えてほしいという人がすごく多いんですよ。専門家は「結果を出せば良い」と思ってしまうのですが、地方って本当に絶妙で、一歩間違うと出る杭は打たれてしまいます。成長のその先に幸せがあるとは限らない。例えば、事業が拡大するほど家庭とバランスがとれなくなってギクシャクしちゃうとか、ありますよね。そういうところも含めて分かっている人がサポートしていくことが必要で、身近な人が寄り添って教えていくことがとても重要なんです。分かりやすい例としては、私の母がいます。母はもうすぐ60歳で、地元の佐賀でペライチサポーターをやっています。自身が経営する印刷会社の中にIoT事業部をつくって、自治体や地銀さんなどと連携し、県内の企業や個人の方々のペライチをはじめとしたサイトやネットショップの制作や、DX全般をサポートしています。元々印刷会社の人ということもあって、ネットリテラシーはめちゃめちゃ低かったんですよ。でもやっぱり、地方の年輩の経営者さんは、スーツとネクタイでやってきて難しいヨコモジを連発する専門家よりは年齢も近くて身近な人にお願いしたいと思う方が多いのです。

サポーターとして、身近な人にネットの活用方法をアドバイス

―確かに地方出身の自分もすごく共感します。なぜ代理店ではなく、サポーターだったのでしょうか?

 代理店としてお願いしている企業さんもあるのですが、サポーター数に比べると1%程度くらいしかないですね。代理店だと、「お金」や「収益」がモチベーションになりやすいのですが、それに対して、サポーターさんのインセンティブは「想い」なんですよ。ペライチ社や私が掲げる想いに共感してくれて、「ギブ」してくださる利他的な方がすごく多いです。信じられないと思いますが、バックエンドとか無しに無償でセミナーをやって無償でサポートされるサポーターさんも一部いらっしゃるくらいですよ。当然ですが代理店さんの場合は、自分たちの実績をオープンにしたりしないですよね、自社の利益を守るために。だけどサポーターさんはそうではなくすぐに良かったことや実績を共有してくださるんです。たとえば、新しい機能ができたら仕様書をつくってくださったり「こういう使い方すると良いよ」とシェアしてくれたりする。いわゆる共助コミュニティになっていて、一人の知見がみんなのためになるし、みんなの知見が自分のためになる。この環境自体が、本来の「地域」っぽいなと思うんですよね。

―「想い」がある方にサポーターになっていただいたということなのですね。サポーターさんへの金銭的なインセンティブは無いのでしょうか?

 2020年12月に制度を刷新して、ビジネスプランの成約で1万円、レギュラープランだと5千円のインセンティブをお渡しすることにしました。でも、それまではほぼ0でしたね。というのも、コミュニティのコアは利他的な方で構築しないとバランスが崩れるから。最初からインセンティブ目当てにするとアフィリエイトと同じになってしまいます。ペライチのマインドセットを後から入ってきた方にも継承していただくためには、まずは「想い」が重要ですから。インセンティブというよりは、「サポーターさんが活躍できる環境を僕らがどう作るか」に力を入れています。たとえば、ペライチ社への制作代行オファーは、すべてサポーターさんにお願いしています。自社で受けるのではなく、サポーターさんに活躍していただく。だから紹介インセンティブでいくら、だけではなく「ペライチを活用した仕事」をしていただく仕組みを整えることで、皆さんに収益を上げていただきたいなと。

ペライチサポーターの特典は、主に5つ

―なるほど。お金ではない部分で繋がったコミュニティであれば、信頼していろんなことをお任せできますもんね。コミュニティ自体は、どのように運営されているのでしょうか?

 サポーターコミュニティ全体としてFacebookグループが一つあります。そちらはペライチ社のサポーターチームが管理はしているのですが、情報発信は本部からよりはサポーターさんたちだけで相互に行われることの方がかなり多いです。また、エリアや都道府県ごとに、サポーターさんが自発的にFacebookグループなどを立ち上げています。そこで既存のサポーターさんが(新しい方を)お世話する構図が、少しずつできていますね。

―ありがとうございます。これからの広がりが楽しみですね。ちなみに、山下さんはペライチ以外にも多くの活動をされているそうですね。主にどのようなことに取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

 全国の企業で顧問や役員をしたり、投資家として活動したり、いろんなプロジェクトの立ち上げに関わっています。生まれが佐賀県佐賀市という地方で、すごく田舎なんですよ。大学、大学院は東広島にある広島大学に通っていたこともあって、24年間はいわゆる「ザ・地方」で育ったんです。なので、やっぱり「地方の魅力をもっと知ってもらいたい」という想いがありますし、同時に危機感もあって、個人的に地方創生や地方活性化に力を注いでいます。現在は、600以上の自治体の首長が加盟している連合の企業代表をやったり、複数の国家プロジェクトや大阪・関西万博2025アドバイザーをしたりしていますね。

東北での「ペライチ」活用の可能性と想い

―ITという分野に関して東北地域に対してはどのような印象をお持ちでしょうか?

 そうですね。率直な印象としては、全国的に見てもITが浸透しにくいという感覚があります。サポーター数も、東北は極めて少ない。全国平均的には各都道府県あたり8~10人のサポーターさんがいるのですが、それに比べると東北の場合は1~2人とかなんです。でも、震災があったことも関係しているかもしれないですが、東北って情熱だったり、支え合おう、応援しようという想いのある方がすごく多いと思います。「信用」を大切にされているエリアなので、この記事を機にペライチというサービスや我々の想いを少しでも知ってほしいと思います。

―IT領域に対して興味ある方は多いと思うので、きっかけさえあれば広まる気がしています。人同士の繋がりや信用をすごく大切にされているのは東北の強みで良さだと私も思っています。

 東北を応援するというとおこがましいですけど、個人的にすごく思い入れがあります。震災で亡くなった方に黙祷することはもちろん毎年やっているのですが、それだけだと、どこまでも「よそ者感覚」だと思っていて。3月11日を「チャレンジしようとする人を応援する日」にしたくて、「おうえんの日」として申請しました。日本記念日協会に記念日として認定してもらっていて、東北の方々とも連携してさまざまな活動をやらせていただいています。2020年は(コロナの影響で)全国のお祭りができなくなってしまったのもあって、青森のお祭りをオンライン化するサポートなどもしていますね。

ペライチの東北での可能性を話す山下さん

―ペライチでは、ネットショップも作れるみたいですね。個人的に東北の「食と伝統工芸」は日本有数の強さがあるなと思っていて。そういう分野で使っていただけたらすごく良いなと思います。

 そうですね。ペライチでは単品購入はもちろん、定期便向けの決済もできますよ。なのでネットショップとしてお使いいただくことはすごく多いですね。決済方法もクレジットカード、コンビニ決済、ペイパルも対応していますし、今後も決済方法を拡充予定です。手数料も業界最安値で何よりカンタンに導入できるため、ネット決済やネット販売のはじめの一歩としてとても便利だと思います!

オンライン決済のほか、ネット予約管理やメルマガ配信も可能

―今後、ペライチとしてはどのような展開を考えていますか?

 まずはペライチ自体を良いものにしたいですね。2020年10月にラクスルさんと連携して出資いただいたこともあって、急速に開発チームの採用も進み、開発スピードやクオリティがめちゃくちゃ上がったんです。テンプレートも昨年まで70ほどだったのが、半年も経たずに300近くまで増えましたし、機能もどんどん拡充・進化しています。今後は予約や決済やCRM領域などを強化して、利用している皆さんの結果に繋げていきたいです。サポーター制度としては、数千人、数万人というレベルでサポーターを増やしていきたいです。ペライチのユーザーが35万(4月末時点)ほどなので、元々掲げていた「一億総ネット利活用時代」という目標にはまだまだ足りてないんですよね。広告プロモーションや動画制作などサポーターさんによって得意・不得意な領域があるので、現在、サポーター同士でお仕事をお願いできる仕組みを構築中です。これから益々、「地域をよくしたい」という想いを持った方にサポーターになっていただけたらと思っています。

【プロフィール】

 

 

 

 

山下 翔一
株式会社ペライチ 取締役会長
1983年、佐賀県生まれ。広島大学・大学院で理学研究科数学専攻、博士課程前期修了。

■ビジョン

世界中の全ての人が自立した幸せを手に入れ、恒久的な世界の平和を実現する。

■活動内容
・口コミの力で35万社・人が利用、世界一カンタンなWebページ作成サービスを入り口に1億総ネット利活用時代を目指す『ペライチ』創業者 取締役会長
・600以上の自治体の首長が加盟『2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合』代表サポーター(企業代表)
・大阪・関西万博2025 アドバイザー、TEAM EXPO 共創パートナー
・全国100万ヶ所 2000万人を目指す『応援村(経産省連携)』 実行委員・広報部長 ※日経トレンディ「2020年ヒット予想」で1位を獲得
・環境省主導の国家プロジェクト『地域循環共生圏プロジェクト(ローカルSDGs)』アドバイザー
・日本の古き良き「おもてなし」と「お心づけ」のDXで感謝経済の実現を目指す『ごちっぷ』創業者 取締役会長
・未来の地方創生のデファクトスタンダードを目指す香川県東かがわ市「創生総合戦略アドバイザー 兼 わくわく課 課長」
その他、佐賀県有田町など複数自治体のアドバイザー等
・真の地域活性化を目指す『一般財団法人カブジチコンソーシアム』代表理事
・2018年から世界60拠点 5万人以上を巻き込み応援で幸せ溢れる社会の実現を目指す『おうえんフェス』発起人 会長
・立ち上げ直後でコロナ禍で3ヶ月で10億円の飲食店支援を実現、新時代の飲食店支援サービス『ごちめし・さきめし・びずめし』アンバサダー・株主
・夢を描き合い、実現を助け合う『一般社団法人七夕協会』顧問
・次世代の産業界のグローバルリーダーを育成し、ICTで現代の維新を目指す『情報経営イノベーション専門職大学』客員教授
・全国の多数の法人や団体の Founder・株主・役員・顧問等

合計で100以上の法人や自治体やプロジェクト等のFounder・代表・役員・顧問等を務めている。

【LocalBook編集部後記】
 山下さんの「ツールだけでは根本的な解決にならない」というお話に深く共感しました。“ツール”はたくさんありますが、使い方を知らなければ存在しないのと同じです。ペライチサポーターは、“知らない人”を切り捨てず、ITを活用できる人を1人でも増やすための“草の根”的な優しい制度だなと感じました。また高い専門知識が無くともサポーターになれるので、サポーター側が地域に根差すためにも良い制度だ、と思いました。東北にはサポーターが少ないということですが、食をはじめ高いポテンシャルを秘めた地域です。今後、東北で少しでもペライチ(をはじめ、ネット)を活用する人が増えたら良いなと思います。(ライター:堀越 愛)

ピックアップ記事

関連記事一覧