東日本大震災の被害をARアプリで再現、岩手県大槌町と凸版印刷が震災伝承アプリを公開

岩手県大槌町(以下 大槌町)と、凸版印刷株式会社(東京都文京区、以下 凸版印刷)は、2011年3月11日に発生した東日本大震災での倒壊や津波被害をARアプリで再現する震災伝承アプリを共同で開発した。伝承アプリを活用して、再現した痕跡を後世に伝承することで東日本大震災の記録と教訓を後世へ伝承することを目的としている。

大槌町震災伝承ARアプリの特長として、現在、解体済みとなっている被災建築物を災害時の姿で再現やその周辺の風景、津波の浸水高など当時の被害状況を観察することが可能だ。被災建築物は、大槌町旧役場庁舎と、観光船はまゆりが乗り上げた旧民宿あかぶの写真資料を収集し、その記録を基に高精細なCG表現で被災建築物を再現されている。

また、周辺の風景や津波の浸水高は、被災した建物の表示位置を固定させたまま周辺地域の様子を再現することで、写真などのような静止画像では伝えづらい情報を、体験者の動きに合わせてさまざまな角度から観察できる。そして、押し寄せた津波の高さのスケールも画面上に表示され、津波から避難するための危機意識の醸成や教訓を学ぶこともできる。

本アプリが開発された背景として、東日本大震災による津波被害で未曽有の被害をもたらした大槌町は、津波の記録を継承していく必要性があると考えた。そして、南海トラフ地震を始めとする将来の大災害に備えることの重要性を認識させること、東日本大震災津波を経験した大槌町の取り組むべき責務であることの2つの理由から、大槌町が保管していた被災状況の記録資料を基に凸版印刷の保有する印刷技術を駆使して、被災した当時の状況を現地で体験できるスマートフォン向け高精度ARアプリが開発された。

「大槌町震災伝承ARアプリ」利用方法
アプリ入手方法:App StoreおよびGoogle Playよりダウンロード可能だ。
・iOS:https://apps.apple.com/jp/app/id6444295742
・Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.toppan.shinsai.otsuchi2022
※iOS 15および16、Android OS 12および13に対応、一部機種では正常に作動しないことがある。

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