大熊ダイヤモンドデバイス、ダイヤモンド半導体工場建設に向け、PreAラウンドで約40億円を調達
大熊ダイヤモンドデバイス株式会社(北海道札幌市)は、PreAラウンドにてデット含め、約40億円の資金調達を行った。本ラウンドは、既存投資家であるグロービズ・キャピタル・パートナーズがリードし、デットファイナンスはみずほ銀行が筆頭金融機関になる。創業後2年半での累計調達金額は、助成金も合わせると約67億円となった。
同社は、経済産業省による「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(製造・サービス業等立地支援事業)9次公募」にも採択された。同補助金は、福島県の避難指示区域等を対象に、住民の自立・帰還や産業立地の促進等を図るために、工場等の新増設を行う企業に対して最大30億円を支援するものである。
同調達および補助金採択を通じ、世界初となるダイヤモンド半導体工場を建設する予定。建設予定地も福島第一原発に隣接する福島県大熊町に確保し、2024年度中に工場建設を開始、2026年度には工場の稼働とダイヤモンド半導体の商品化を目指す。
同社は福島第一原発の事故を契機として、10年以上の研究開発に基づく製品化に向けた独自の知見と実績を蓄積している。世界で唯一、同社だけが保有している製品化ノウハウを基に、福島第一原発がある福島県大熊町にてダイヤモンド半導体の量産化を実現し、廃炉計画への後見だけでなく、次世代通信・宇宙市場など世界に向けた社会実装を加速させる。
ダイヤモンド半導体は、既存半導体に比べて高周波特性や大電力効率、放熱性等に優れ、次世代通信技術「6G」の実現に不可欠とも言われている。また、高放射線や高温/低音といった極度環境下でも正常に動作可能なデバイスとして、福島第一原子力発電所の廃炉計画に加え、他原発や宇宙原発への応用が期待されている。