岩手・宮城・福島の震災伝承団体・伝承施設の現状と課題について、アンケート調査結果が公開
公益社団法人3.11メモリアルネットワークが、2025年8月11日、2024年「東日本大震災伝承活動調査」の集計結果を速報公開した。回答しているのは、岩手・宮城・福島における震災学習プログラム実施団体(以下「伝承団体」)25団体、震災伝承施設の26施設運営組織だ。
同社は2017年より毎年「東日本大震災伝承活動調査」を実施している。調査の結果、震災から年月が経ち、東北被災地での環境は大きな変化が起きていることがわかった。これを受け、次世代への伝承に向けた持続性を高めていくため、調査結果を基礎資料として役立ててほしいとしている。
【調査結果(速報回答例)】
●震災の伝承について
震災伝承団体の96%が「継続性の不安」を抱えており、「語り部」の防災への寄与について、活動継続は見通せていない。一方「来訪者の意識や行動を変えるために、東日本大震災の語り部は寄与できると思われますか?」という設問に対しては、「とてもそう思う」または「どちらかというとそう思う」という回答が100%を占めている。
●震災伝承の「成果」指標について
最多の回答が「伝承団体や施設への来訪者数」で、最小が「復興庁教訓継承サイトの普及開発コンテンツ数」。
●伝承人材確保について
伝承団体の過半数が、1年後の人材について「あまり見通しがついていない」、「全く見通しがついていない」、「わからない」と回答している。
●「第2期復興・創生期間後」の公的な資金支援について
伝承団体の76%、伝承施設の54%が「拡充」への期待を示している。