Next IWATEが法人化発表会見 教育・金融・企業が連携し地域共創を推進

 株式会社Next IWATE(岩手県一関市)が8月21日、一関工業高等専門学校で設立記者会見を開催した。学生企業として2023年に誕生したこの組織は、2年半の活動を経て法人化。会見では今後の事業計画に加え、教育機関や地域金融機関、民間企業との提携が発表された。

Next IWATEが法人化発表会見 教育・金融・企業が連携し地域共創を推進

Next IWATEは今後5年間で複数の地域に「Next○○型」グループ会社を設立し、地域を横断する共創ネットワークを形成する構想を掲げる。さらに同社単体としても、5年後に年商3億円を目指す計画を明らかにした。

会見には、同社の代表取締役CEO上野裕太郎氏、取締役の佐々木優人氏、阿部凌央氏ら学生経営陣をはじめ、一関高専の小林淳哉校長、一関信用金庫の千葉茂執行役員、フォーバルの齋藤勲上席執行役員、東北地域商社およびグローカルの浅野道人代表が登壇。学生と教育機関、金融機関、企業が一堂に会し、垣根を越えた連携体制を示した。

提携内容は多岐にわたり、一関高専とは探究教育や研究開発を軸にした地域連携を強化。代表の上野裕太郎氏が特命助教として着任し、学生が企業現場で学ぶ仕組みを整える。金融面では一関信用金庫と新サービス「ビジバナ」を立ち上げ、企業の課題抽出と成長支援を実施。同金庫からは創業融資として1200万円の資金調達も行った。

さらに株式会社フォーバルとの協業では「企業ドクターキャンプ」を展開。学生を対象に中小企業の経営課題を分析し改善提案を行い、若い人材を「企業ドクター」として育成する。東北地域商社と株式会社グローカルとの連携では、自治体や民間を巻き込み、産業横断的なプラットフォーム化を推進。地域全体の生産性向上と持続可能な経済圏形成を目指す。

代表の上野氏は「地域と若者の未来をつなぐ信念を胸に活動してきた。多様なパートナーとの連携で全国へ広がる共創ネットワークを構築していきたい」と意欲を語った。

同社は2025年7月15日に設立。地域企業の伴走支援や人材育成、教育・研究連携、DX推進などを事業の柱とする。地域と若者を結ぶ“共創の交差点”としての役割を担い、岩手から全国へ発信する構えだ。

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