【連載企画/第2回】『DA・TE・APPS!2020』中間報告会を経て、遂にコンテスト出場チームが決定!

これまでの成果をぶつける真剣勝負

 DA・TE・APPS!2020の中間報告会が11月16日(土)に行われた。会場内に緊張感が漂っているのは、この中間報告会の審査結果によって、来年2月のコンテストに出場するチームが決定するからだ。前回の企画オリエンテーション時点で、IT部門の参加チームは6チームあったが、1チームが離脱。現在は5チームが本選に向けてサービスを企画・開発しており、コンテストに出場できるのは4チームのみだ。すなわち、1チームが今回で脱落することになる。今回の中間報告会で審査に取り組むのは、元グローバルラボ仙台GMで株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ篠原敏也氏。前回DA・TE・APPS!2019大会ではIT部門の審査員を務め、『DA・TE・APPS!2020』を含めた東北での様々な活動にも積極的に携わってこられた方だ。

【連載企画/第2回】『DA・TE・APPS!2020』中間報告会を経て、遂にコンテスト出場チームが決定! メイン写真

審査員を務めた元グローバルラボ仙台GM、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズの篠原氏

 各チーム前回の企画オリエンテーションから約2ヵ月という期間を経て、サービス内容がよりブラッシュアップされたプレゼンを篠原氏へ披露。就活生向けのコミュニケーション能力向上に役立つアプリや、介護現場の事故をゼロにする事前通知機能アプリ、食材の傷み具合を考慮したレシピの提案アプリなど、それぞれが考える仮説課題をもとに、よく練られたアイディアばかりであった。また、人材不足をモチベーション管理で解決するアプリや、自身が本当に欲しい物を提案してくれるアプリなど、ユニークなアイディアもあり、個々の努力と想いを精一杯プレゼンする真剣な様子が見受けられた。

【連載企画/第2回】『DA・TE・APPS!2020』中間報告会を経て、遂にコンテスト出場チームが決定! プレゼンの様子

2ヶ月間の成果を各チームが本気でプレゼン

 

本気のフィードバックに学生が応える

 中間報告会は、各チームからのプレゼンテーションに対して、篠原氏による質問とフィードバックという形で行われた。実際にビジネスとして成り立たせることを念頭に置いた篠原氏からの様々な鋭い質問に、学生たちが懸命に自分達の考えを伝える様子が印象的だった。

 篠原氏からは、「本当に解決したい課題に対して、提案しているサービスはどれだけ有効なアプローチなのか?」という問いや、「サービスを使うことで、ユーザーが最終的に得られるメリットやサクセスは何か?」といったビジネスの本質を突く質問から、企画・プレゼンがより良くなるためのフィードバックまであり、各チームに対しての期待の大きさと本気度が伺えた。今後は各チーム、背景にある課題を具体的なストーリーでイメージし、どんな視点がユーザーに刺さるポイントなのかを明確に抑えることで、よりニーズを満たすサービスに生まれ変わるはずだ。フィードバックを受け、これまでの思考の過程を、しっかりと自分たちの言葉で伝えようとする学生たちの姿は、前回のオリエンテーション時から逞しくなっているように伺えた。

【連載企画/第2回】『DA・TE・APPS!2020』中間報告会を経て、遂にコンテスト出場チームが決定! フィードバックを聞く学生たち

フィードバックに対して真剣な学生たち

 

地域の大人が、共に子どもたちを育てていく社会へ

 結果としては5チームの中で1チームが惜しくも落選し、今回の審査により本選に出場する4チームが決定した。ただ、DA・TE・APPS!が目指しているのは、「学生時代から、ビジネスの素養を子どもたちに身に付けてもらい、社会人とのコミュニケーションの場を増やしていくこと」と篠原氏は話す。

 今の日本では、社会に出て働くまでの教育課程において、子どもたちが大半の時間を過ごすのは学校であり、社会との接点は非常に少ない。しかし、次々と変化していく社会の流れに対して、教育の在り方も柔軟に変えていく必要がある。これまでのように、学校だけが子どもたちの教育を担うのではなく、実際にビジネスの場で働く大人たちとの接点を増やすことで、学校では教えられない教育の機会を創出することが可能になる。「地域の大人が積極的に教育に参画し、次世代の子どもたちを育てていく。彼らのロールモデルとして、自分達大人も頑張っていかなければいけない」と語る篠原氏からは、未来ある若者の成長を願う強い意志が感じられた。

学生に対して本気で向き合い成長のきっかけをつくる

 

学生時代に、本気で取り組む経験を

 今回の中間報告会を通して感じたのは、本気でサービスの事業化を見据え、そのゴールに向かって全力で取り組むという経験は、非常に価値があるということだ。仙台市の神倉崇産業振興課長は、報告会の最後に「本気で取り組むことで、初めて新しい発見が生まれ、その過程で失敗した経験がその人自身の力になる」と学生たちに向けてメッセージを送り、地域一体となって学生の成長機会をつくることへの本気度が伺えた。

 それぞれのチームが本気でサービスの開発に取り組み、それに対して、サポートをする大人たちも本気で応えていく。2月のコンテストで優勝を手にするのは1チームのみだが、それまでの過程で、学生たちが得る経験は計り知れない。失敗を重ねた、彼らの本気の取り組みの成果が、どのようにコンテスト当日に表れるのか、大いに期待したい。

地域一体となって東北の学生を育てる

 

【連載企画/第2回】『DA・TE・APPS!2020』中間報告会を経て、遂にコンテスト出場チームが決定! 話し合う学生たち

本選に向けて話し合う学生に期待が高まる

 

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(協力:グローバルラボ仙台)

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