東北大学と京都フュージョニアリングが核融合燃料「トリチウム」の安全研究で共同契約を締結!
国立大学法人東北大学大学院工学研究科(宮城県仙台市)と、京都フュージョニアリング株式会社(東京都大田区)は、将来のフュージョン(核融合)プラントの燃料であるトリチウムおよび放射化物の評価、ハンドリングについての、共同研究契約を締結したことを発表した。
京都フュージョニアリング株式会社は、フージョンプラントの開発で先導的な役割を果たす企業。今回の共同研究契約には、将来のフージョンプラント運転時の安全確保という課題がある。
核融合反応を起こすために用いられる燃料の一つであるトリチウムは、放射性物質のため安全な取り扱いが求められる。
反応を起こさなかったトリチウムは、他のガスと混ざり炉から排出される。その混合ガスからトリチウムと重水素が分離・回収され、再び燃料として炉に戻されるため、トリチウムは炉内にとどまらず、装置や配管内を循環する。よって安全性の確保のためには、トリチウムの正確な計測や、トリチウムの吸収や透過が少ない構造材の選定が必須とされる。
さらに、核融合反応によって発生する中性子が、構造材中の原子核と反応することで新たに生成される放射化物の挙動を把握することも、安全性確保のためには必要不可欠だ。
こうした背景から同社は、トチリウム関連の研究をけん引してきた東北大学大学院工学研究科の波多野雄治教授と共同研究を開始するとしている。