宮沢賢治の短編童話『虔十公園林』とアートのコラボイベントが開催!「みんなでつくる未来の公園ヘラルボニーと宮沢賢治」
株式会社ヘラルボニー(岩手県盛岡市)は、東京建物株式会社(東京都中央区八重洲)とともに、2025年2月21日から3月20日まで、東京建物京橋ビル1階「BAG-Brillia Art Gallery-」にて、企画展「みんなでつくる未来の公園 ヘラルボニーと宮沢賢治」を開催する。
本展は、ヘラルボニーの創業者である松田崇弥・文登兄弟が、同郷・岩手県出身の作家、宮沢賢治の短編童話『虔十公園林』にインスピレーションを受け、「自閉症の兄へ向けられる冷たい視線を変えたい」という思いから企画されたものである。物語の主人公・虔十は、周囲から理解されない中でも信念を貫き、700本の杉苗を植え続けた結果、その森は後に子どもたちの遊び場「虔十公園林」として親しまれるようになる。この物語は「価値を決めつけないこと」「信念を貫くこと」の大切さを伝えており、ヘラルボニーが掲げる「異彩を、放て。」という理念とも共鳴する。今回の展示では、『虔十公園林』をテーマに、ヘラルボニー所属の9名のアーティストによる作品を通じて、未来の共生社会を考える場を提供する。
作品の展示スペースは二つのエリアに分かれており、エントランスとなる「+2」エリアでは、『虔十公園林』の物語と、同社がこれまでに歩んできた軌跡を紹介する。展示を通じて、来場者は物語から得られる問いを共有し、先入観や常識にとらわれずに新たな価値観を考えるきっかけを得ることができる。メインエリアである「+1」では、未来の「虔十公園林」を表現したアート空間が広がり、本展示会参加アーティストの作品が展示される。また、愛媛県の福祉事業所「うさぎ堂」とのコラボレーションによるアートスツール「bou」も展示され、アートとデザインの融合を楽しめる。展示作品のほかにも世界観に触れられる催しとして、アートワークショップやトークイベントも開催され、来場者はアーティストと交流しながら、共生社会について考える機会を得ることができる。
同社は、この展示を通じて、架空の「虔十公園林」を現実の社会で実現するための第一歩を示し、100年先の未来に残る価値を来場者と共に模索することを目指している。